西日本自転車旅 (屋久島(日本百名山:宮之浦岳))

(この記事を書いているのは、2022年8月15日 鹿児島県鹿児島市

(続きは鹿児島県霧島市、明日から西に向かい、宮崎県日南市そして宮崎港から神戸行きのフェリーを目指す。)

 

宮之浦岳登頂まで(2泊3日)

 

●ついにこの旅のクライマックス、屋久島の宮之浦岳に来た。長野県から自転車を乗り継いで2か月以上、改めて毎日の漕ぎ、少しづつでも進めばどんな遠くでもいける、という事実を実感した。8月10日に高速フェリーで鹿児島港から移動し、「民宿のどか」の宿泊。明日からの2泊3日の行程のために、2ℓのペットボトル飲料2本、チーズ類、チョコレートやお菓子、バナナなどを買っておく。さらに弁当屋の「やくしまキッチン(宮之浦)」で朝弁1つ、昼弁2つを前日に注文し、明日の8時に民宿のどかに届けてもらう。

そして、民宿のどかで「淀川登山口」までのバスの詳細を教えてもらう。

 

2022年8月11日(1日目 花山歩道コース~鹿之沢小屋)

宮之浦港からバスで淀川登山口に向かうつもりが、乗り換えを忘れてバスに乗り続ける。島の西側にきたときに、おかしいと気づき、仕方がないので終点の大川の滝まで乗せてもらう。ここから花山歩道コースの始まりとなる。10時27分に開始。宿泊予定 の鹿之沢小屋に明るいうちから到着するのか少し心配ながらも進む。

 

●一度目の猿との出会い

画像のような林道をひたすら上りながら進む。途中で弁当屋「やくしまキッチン」の朝弁を食べる。食べて体力をつけないとこの日は持たないということを分かっているからだ。

 

さて、食べたあとどんどん登ると、道の中央に猿が2匹いたのである。猿も危険であるとは聞いてはいたが、猿から3m離れた道を歩いて通りすぎた。その時、1匹の猿に目が合った。だからなのか2匹の猿が近寄ってきて1mまで近寄ってきた。あわてて持っているトレッキングポールが先が尖っていたので猿に向ける。猿の動きが止まったが、まさか近寄ってくるとはと思っていないので肝が冷えた。体を猿に向けながら後ずさりし、猿と距離を取り別れる。「猿に襲いかかられて、引っかかれる」ことも考えられるので猿にも注意だ。今度からは「猿が立ち去るまで待機をすることにしよう」と決めた。

 

花道歩道入口に到着

12時24分、林道を登り続けやっと花道歩道入口に着いた。ここから本格的な登山となる。永田岳まで10Kmと表示されており、また本コースのイラストマップがあったので載せておく。さらに、この花道歩道コースは「屋久島の中でも、最も原生に近い森の姿を見ることができる」と書いてある。

 

●花道歩道入口(標高500m)から次の花道広場(標高1230m)まで推定時間は4時間。約730mを登っていくことになる。このコースはとにかく傾斜がきつく、鬱蒼とした森林をかきわけていく登山道であり、またピンクマーカーも勿論あるのだが、見落としやすい。なので一見どこが登山道なのか分からなくなることが何度もあった。画像のような石の上などで、頻繁に休憩をし、水分補給をしないと持たない。傾斜のきつさ、暑さによる汗で眼鏡が曇る、マーカーの見落としによる道迷いの不安などがあるので確かに「一般向けではないコースで安易に選ばないください」と書かれているのは言い過ぎではない。

 

●花山広場(15時30分到着)、広場といっても特に座るところもない。近くに「水場」もあるが、飲み水はまだ余裕があるのでそのまますぐに歩き出す。

 

●大石展望台(16時36分)鬱蒼とした森がようやく明けて、先の展望が見える大石の上の展望台に到着。

 

●鹿之沢小屋(17時40分)に到着。なんとか暗くなる前に目的の小屋に着くことができた。さすがにこの日の行程は疲労困憊だ。着ている服も汗でぐっちょりだ。このコースそしてこの小屋、このお盆の時期なのに人は誰一人いなかった。まるでこの世界にいるのは一人だけではないかと思わせるようだった。昼弁を食べ、暗くなる前に寝袋に入り、眠りに入る。

 

2022年8月12日(2日目 鹿之沢小屋~永田岳~宮之浦岳~新高塚小屋)

●小屋は6時に出発。しかし、ここで道を間違える。永田岳に登るコースではなく、永田歩道のほうに行ってしまい、15分ほどで間違いに気づき、戻ったため30分ほどロスをしてしまう。

 

●永田岳に向かうコースに6時30分に入る。鹿之沢小屋(標高1560m)、永田岳(標高1886m)なので300mほどを登る。屋久島の北西方面を写す。また、ローソク岩付近からの景色も写した。快晴の眺めは最高だ。

 

●永田岳山頂(7時45分)到着。相変わらず、誰もいないが一人でこの景色を独占しているという優越感がある。気温もちょうどよく適度に風も吹き、ずっといたい感じだが、暑くなる前に宮之浦岳に行きたいので動き出す。

 

●焼野三差路(8時45分)。永田岳方面、新高塚小屋(縄文杉方面)、宮之浦岳(淀川登山口方面)の3方向に行ける地点である。

 

●(二度目の猿に出会い、悩まされる、無事宮之浦岳山頂に着く)

さて、三差路から宮之浦岳山頂に向かうが、ここで思わぬ事態に出会う。画像を見ていただきたい。岩の上にいる黒い物体は何に見えるだろうか?はじめは石?いや人?いや猿か?と思っていたが、かすかに動いたのを見たらやはり猿だった。そう、猿が付近の見張りをしていたのである。

前日に猿に近寄られたこともあり、猿には少し恐怖心がある。道を登りながら進むが、猿が3匹ほど付近で見張りをしている。猿に会ったら向こうが去ってくれるまで待とうと思っていたので、道を引き返し、様子を見ることにした。もういいかと登ると、ボス猿らしき猿がこちらを見て相変わらず見張っているのである。そう、猿はなかなか一か所から動こうとしないのである。参ってしまった。まさか猿がいるせいで念願の宮之浦岳を今日は登れないと本気で考えたほどである。30分ほど下の岩で待つ。すると山頂から人の声が聞こえたので、人が来るなら大丈夫だと思い登り始める。どうも餌を食べている時間帯で猿も少し攻撃的になっていたのかもしれない。

 

宮之浦岳山頂(標高1936m)(10時12分)ようやく到着できた。猿に2度も悩まされるというトラブルがあったが、今となっては良い経験になった。しかめっ面をしているのはまぶしいからだと思う。さらに日本百名山27座目を紙に書いて撮影。もう少し字を大きく書けば良かったと思うが。

東を向くと、平べったい島。種子島である。

北西方面は、硫黄島、そして2015年に噴火をした口永良部島である。

 

●再び、焼野三差路に戻るが、降りるときは猿はもういなかった。貴重な猿の縄張り時に出くわしたと思えば、良い経験と言えるだろう。11時21分、平石岩屋に到着。

 

●坊主岩の姿。遠くから見ると、愉快な坊主の顔に見える岩が見える。



●第二展望台、第一展望台を経て、12時50分「新高塚小屋(標高1400m)」に到着。宮之浦岳登山や縄文杉を見にくる人はほとんどがこの新高塚小屋を使うようだ。人が多い時期なのかメインコースなのか、当たり前だが人が数人いた。小屋は無料で宿泊できるしテントをおいてきたので、今回は小屋の中で宿泊。相当減った水も近くの水源で補給。ただ、ほとんどの人は山小屋の外の木製通路などにテントを張っていた。自らのプライベートを邪魔されたくないのかもしれないが、見知らぬ人同士だが登山好き同士の会話が何より楽しみであると思うと寂しい気もする。(新高塚小屋の画像がないのは申し訳ない)

 

2022年8月13日(3日目 新高塚小屋~縄文杉~ウィルソン株~荒川登山口~安房へ)

 

●朝、6時に起きると小屋の中や外のテントのほとんどの人はすでに出発したあとだった。皆、暑くなる前に動き出す、また辺りが明るくなる時間の5時から5時30分には動き出しているのかもしれない。最もな理由だ。

 

●「新高塚小屋」を6時30分に出発。宮之浦岳登頂という目的を達成した後で、帰り道ということもあり少々「燃え尽き症候群」らしい心境だ。だが、帰るまでが旅なので最低限の気は持っていく。

 

●次の通過地点は「高塚小屋(標高1330m)」だが、深緑の森を抜けて降りたり登ったりとする道なのでかなり大変だ。おまけに朝食もほとんど食べていないので馬力があまりでない。7時25分、ようやく「高塚小屋」に到着。ここで朝食を食べないとと思い、はじめは外で食べていたが、虫が寄ってきてしまう。なので無人の小屋の中で食べさせてもらう。

 

●「高塚小屋」から200mのところにあるのが、いよいよほとんどの人のメイン名所「縄文杉(標高1300m)」である。7時50分に到着。グレートトラバースで見たのみで、ほとんど知らない。6人ほどの男性団体が木製の高い欄干上から縄文杉を眺めていた。

「樹齢1000年(縄文杉は樹齢7200年とあとで知って驚いた)を超えてなお生きる縄文杉をはじめとする屋久杉は屋久島の森の象徴である」と下の説明文に書かれている。木の幹を見ても、悠久な年を重ねた老獪な姿であるし、その上に子、孫、ひ孫、ひひ孫・・・・と枝や葉が生えてもなお生き続ける姿に感服を受ける。

 

縄文杉をあとにすると、急激に下りばかりになり、徐々に荒川登山口からや白谷雲水峡からの登りの人が増えていく。ほとんどの人(団体)はツアーの人達で先頭にツアー案内の人が説明をしているのを目にした。まあ、私はツアー参加は向かない性格だ。富士山を登頂したときは、日本百名山の1座目であるし、高山病の対策もあるしで参加したがやはり自由で個人気ままな旅が合っているのだ。

 

●ウィルソン株(標高1030m)に近づくと、登ってくる人とすれ違うときに縄文杉まであと時間はどれくらいかかるのか?と聞かれたこともあった。縄文杉からウィルソン株までは降りて1時間かかったのだから、登りなら良くて1時間30分はかかる、と伝えておいた。まあそれくらいはかかると言うのが妥当なところだろう。

 

●ウィルソン株に8時54分到着。屋久杉の切り株である。15人ほどは周りにいただろうか。中に入ると、上が開いていてハート形に見えるようだ。画像だと見えないのであるが、確かめたい人は実際に行ってみてほしい。

 

●9時25分、大株歩道入口(標高900m)に到着。荒川登山口、白谷方面からくる登りの人はこの階段を登ってようやく登山開始となる。

 

●9時30分に大株歩道入口を出発すると、あとはほぼ平らな線路上の板上の道を進んで荒川登山口に行くことになる。ずっと画像のような道だ。

 

●ひたすら線路上を歩き、三代杉や小杉谷小中学校跡などを途中で見ながら、11時45分に荒川登山口に到着。ここからバスに乗り屋久杉自然館まで行き、安房の町に行く。ただ、バスは15時までこないのでひたすら待つしかない。途中で少し雨が降ったりしながらバスを待つと、14時くらいでバスを待つ人たちでいっぱいになる。15時に乗ったときは、ほぼ満杯の客だった。15時45分ほどで屋久杉自然館に到着。

 

安房の町に行く途中、「Tama Cafe」に寄る。店の画像がなくて申し訳ない。女性オーナーの人そして2人の若い女性客がいた。脱穀米のココナッツカレーを注文。まともな食事はほぼ取っていなかったので、生き返る。女性オーナーの人は滋賀県出身で店は移住して3年目のようだ。どうして移住したのかも聞いたが、やはり屋久島の人柄に惹かれて移住したようだ。本ブログを書いていること、海外にも行くことも話し、またオキシトシンという幸せホルモンが分泌したようだ。

 

●宿泊したところは、安房町も「Hotel オーベージュ」。明日は屋久島から出発することになり、いよいよ帰宅することになる。

 

最後に、「北海道は熊に気をつけよう、屋久島は猿に気をつけよう」